人間の体に備わっている免疫細胞は、腸内環境が整っているほど優位に働いてくれます。
腸内環境(具体的に言うと腸内細菌の種類や数)は、実は2〜6歳くらいで決まり、その後は大人になってもなかなか変化することがありません。
免疫細胞は「胎盤」や「羊水」から、腸内細菌は産道を介して赤ちゃんに引き継がれるため、妊娠、授乳期、いえ、もっと前から食生活を整えていてほしいと思います。
子どもの入園当初に誰しもが受ける洗礼「すぐ風邪をひく、病気をもらってくる」を最小限にしたい
待望の赤ちゃん。産まれてすぐはママも赤ちゃんも大忙し。産後の身体に鞭打って、昼夜問わず授乳、おむつ替え、着替え、抱っこ、、また授乳。それに加えて料理・掃除・洗濯・ゴミ出し・・・やってもやっても終わることはなく、気づけば子どもはあっという間に1歳、2歳・・・。
仕事復帰したい!そろそろ日中の自分時間が欲しい!
そして桜咲く4月、キラキラの幼稚園・保育園入園✨やっと自分のための時間が多少できた!仕事復帰できた!と思いきや・・・入園早々先生からのホットコール(※)。(※「発熱や体調不良のため、お迎えに来てほしい」という趣旨の電話のこと)
3日間休んで元気になったと思ったら、今度はロタウイルス?RSウイルス?なんですかソレ。もはや病院の先生とはおともだち。先週も、先々週も会いましたよね?っていうレベル。4月中、元気に園に行けたのは、ウソ、たったの5回しかない。先が思いやられる・・・
な〜んてことがザラにあります。
しかし、中には乳幼児期からほとんど園を休まない子どももいます。初めての集団生活で何度も体調不良で休む子どもと、ほとんど休まない元気な子ども、何が違うのでしょうか?
このブログでは、私『免疫かあさん』が普段から意識している、「出来るだけ病院に頼らず、病気にかかりにくくする子どもの育て方のコツ」を伝授します。
最後の章に具体的な生活習慣を載せています。ここが一番大切なので、お急ぎの方は目次から読み飛ばしても構いません。
なぜ「子どもはすぐ風邪をひく」「病気をもらいやすい」のか?
産まれたばかりの赤ちゃんには、自然免疫が備わっています。自然免疫とは、一言で表すと「人が生まれつき持っている免疫反応」のこと。自然免疫はあらゆる動物に備わっていて、自分の体をウイルスや細菌から守ってくれる、大切な仕組みです。
例えば、上記に挙げたRSウイルスなどの伝染病は、一度かかると免疫がそれを記憶して抗体を作るため、ほとんどの人が同じ伝染病にかからなくなります。(これを獲得免疫と言います)
しかし、この世には数百ものウイルスの種類があり、小さい子どもはウイルスなどに感染した経験が大人に比べて格段に少ないです。
そのため、出会ったことのないウイルスが体内に侵入すると、免疫細胞の働きがよくなり、ウイルスをやっつけるために発熱・咳・鼻水などの症状が現れると言うわけです。
免疫とは?
免疫とは「疫(えき)から免れる(まぬがれる)」、すなわち「伝染病」などからのがれるということを意味する言葉。
免疫細胞のメカニズム
人体がウイルスや細菌の感染による発病を防ぐメカニズムには、3つの段階があります。
1.粘膜免疫の役割
目や鼻、口、腸管などの粘膜でウイルスや病原体、花粉などの異物の侵入を防ぐ役割があり、さまざまな感染症やアレルギー反応を防いでくれます。
IgA と呼ばれる抗体が侵入してきた細菌やウイルスなどの病原体を無力化し、体内に入らないようにブロックしてくれています。
2.自然免疫の役割
ウイルスや病原体などの敵が粘膜を超えて体内に入ってしまった際、異常になった自己の細胞を感知し、真っ先に駆けつけてやっつけてくれます。
人が生まれつき持っている免疫反応なので、「自然免疫」と呼ばれていて、特定の病原体に繰り返し感染しても、自然免疫が強くなることはありません。
3.獲得免疫の役割
自然免疫を乗り越えてしまった病原体とたたかう役割を担います。一度体内に侵入した病原体を記憶し、再度同じ病原体に出会った時それを排除してくれたり、かかったとしても軽い症状で済ませてくれたりします。この防御に失敗すると、発病してしまいます。
免疫っていつから作られるの?
産まれたばかり〜生後半年の赤ちゃんの免疫
産まれてから半年くらいまでの赤ちゃんは、胎児期の胎盤や産まれてすぐの母乳から、IgGという免疫物質を受け取っています。これは、ウイルスや細菌と戦うために必要になる免疫で、母体が元々持っていた免疫が、胎盤や母乳を通して赤ちゃんにも受け継がれているというわけです。
特に、初乳(産後すぐから3日目までの母乳)には、成乳(産後7日目以降に分泌される母乳)に比べ、3倍ものIgG免疫が含まれています。そのため、初乳を飲ませることが大切だと言われているんですね。
従って、生後間もなく~半年程度の時期は、それ以降に比べて免疫力が少し高いと言われています。
生後半年〜1歳半の乳児の免疫
生後半年ほどからは母乳からもらえるIgG免疫が低下するため、この頃の赤ちゃんの免疫が一番低いと言われています。一般的にはワクチン接種により抗体を作るように推奨されていますが、私はワクチンは必要ないと思っています。
理由については、また追って記事にしたいと思います。
とはいえ、免疫が低い乳幼児が結核や百日咳などの感染症にかかると重篤化するリスクもあります。
対策としては、
・人混みを避ける
・体調が悪い人のそばに近寄らない
・規則正しい生活をする(赤ちゃんだけでなく家族も)
・離乳食によって腸内環境を良くしてあげる
これで良いと思います。
免疫力を高め、強い子を育てる6つの方法
では、具体的にどのような生活習慣を意識すれば良いのでしょう?
私が子育てをする際に重きを置いていたことを紹介します。
1.生活習慣を整える
産まれたばかりの赤ちゃんにはまだ生活リズムができていません。
大人ですと、例えば、毎朝6時に起きて仕事の準備を始める人は、仕事が休みの日も同じような時間に起きてしまうのではないでしょうか?これは習慣からなるものですから、赤ちゃんも生後6ヶ月頃から少しずつ、生活リズムを整えてあげるよう意識しましょう。
- 朝7時にはカーテンを開けて朝日を浴びさせる
- 天気が良い日はベビーカーや抱っこで外を散歩する
- 昼寝をさせる
- 夜7時〜8時、眠くなる頃に部屋を暗くして寝かせてあげる
とはいえ、お母さんも夜中の授乳やオムツ替えでクタクタ・・・。毎日きちんと時間通りに動くのは体力・精神面ともに難しいと思います。
なので、疲れている時はゆっくり寝てもいいし、毎日外に出なきゃ!と思う必要はありません。
お母さんの心のゆとりと赤ちゃんの機嫌は比例しますから、無理をしすぎないようにしましょう😊
2.外でたくさん遊ばせる
世の中には数えきれないほどのウイルスや菌が存在します。上記で述べたように、獲得免疫を増やすために、小さい頃から外でたくさん遊ばせてあげてほしいです。
特に泥んこ遊びや砂遊びは適度に菌と接触できるため、積極的にさせると良いですよ。
3.妊娠期からのバランスの良い食事
人の体内には100兆個もの腸内細菌が存在していて、その中の90%の細菌は消化管に生息しています。
産まれたばかりの赤ちゃんは胎盤や羊水から母親の腸内細菌を引き継いでいるという研究結果があります。しかしまだ成人ほどの腸内細菌は保有しておらず、3歳頃に成人と同じだけの腸内細菌を獲得するということが分かっています。
関西医科大学医学部 小児学講座 乳児期における腸内細菌児叢の形成とその乱れ より
また、腸内では善玉菌、悪玉菌、日和見菌という3種類菌が複雑に絡み合い、健康バランスを取っています。悪玉菌の増殖を抑えることで腸の運動を活発にし、食中毒菌や病原菌による感染の予防をしてくれます。
したがって、妊娠期〜乳児期における母親と子どもの食生活によって、子どもの免疫は強くも弱くもなります。
具体的には?
- 「まごはやさしい」を意識した食事
日本人が昔から食べ慣れている、「豆、ごま、わかめ(海藻類)、野菜、しいたけ(キノコ類)」をバランス良く摂る食事のことです。(※離乳食期は、そのお子さんの成長に合わせて与えてくださいね。)日本食は善玉菌を増やしてくれるものが多いですから、パンよりご飯、できるならば玄米が良いです。
こちらの表を見てください。長崎県のある保育園で2006年からオーガニック和食給食を取り入れた後の園児の病欠日数です。明らかに病欠者の数が減っていますね。
引用:ほいくいず
- お菓子は食べさせなくて良い
そもそも、幼児期に与える「おやつ」は『お菓子を与えること』ではありません。乳幼児は内臓機能が未熟で一度にたくさん食べる事ができないため、朝10時頃、午後3時頃に栄養を補うための食事が必要になります。そのため、おやつのことを「補食(栄養を補う食事)」とも言います。
お菓子ではなく、小さいおにぎりや食べやすくしたトマト、カボチャ、フルーツなどをおやつとして食べさせてあげましょう。
砂糖や人工甘味料は悪玉菌を増やします。市販のジュース類(子ども向けに売っているものでも)にも大量の砂糖が入っているため❌。また、小麦製品も悪玉菌を増やし、身体を冷やしてしまうため、おすすめしません。
- 身体を冷やさない
身体が冷えると免疫力が下がります。炎天下などでは体温を下げる目的で冷たいお茶などを飲ませますが、それ以外は常温の水かノンカフェインのお茶で良いでしょう。
4.添加物(合成化学物質)の摂取量を減らす
添加物は人工的に作られたものですから、人の身体ではうまく処理できません。腸の壁を攻撃し、肌荒れや胃部不快感などの原因になることが分かっています。また、身体が処理できないということは、消化・分解しきれずに臓器に蓄積していく恐れがあるということです。
日本の食品は添加物で溢れかえっていますから、これらを全て排除するのは難しいのが現状です。しかし、「添加物摂取量を少なくしよう」と意識するだけでも、一生の間に摂取する添加物の量はかなり減らせると思いますよ。
5.すぐに病院に行かない(薬を飲ませない)
抗生物質の役目
そもそも、風邪や体調不良になった時にもらう薬には「病気を治す作用」はありません。
抗生物質は、良い菌と悪い菌の両方を殺すもので、「特定の風邪のウイルスだけ」をピンポイントで殺すことはできません。良い菌も殺すということは、抗生物質を飲むと一時的に免疫力が低下するということです。そのため、薬によって風邪症状が治まったと勘違いし、幼稚園・保育園に行き、また別のウイルスをもらい、発症し、薬を飲み・・・というイタチごっこになるのです。
「咳止め」「吐き気どめ」「頭痛薬」「解熱剤」etc.
これらは全て「症状を抑える」ためだけのものであり、咳も、嘔吐も、発熱も、免疫がウイルスを外に出して身体を正常に戻そうとすることによって起きるものですから、無理に止めようとすると、かえって症状が長引いたり、免疫を下げてしまうことになります。
この部分をしっかりと理解した上で、できるだけ薬に頼ることなく、日頃の食生活や生活習慣の改善で自己の免疫を上げていただきたいものです。
6.身体を冷やさない
「冷えは大敵」と聞いたことはありませんか?
それって考え方古くない?おばあちゃんが言ってたやつでしょ?
いえいえ、「先人の知恵」を侮ってはいけません。実際、体温が高い「心臓」には、ガン細胞ができない事が分かっています。ガンの他にも、生理痛・胃腸の不調・むくみや肌トラブル、免疫力の低下によるアレルギー症状も身体の冷えが原因である事が分かっています。
身体を温めるためには
- 普段の飲み物は常温の水かお茶
- 生姜などの薬味や根菜類を積極的に摂る
- 首、手首、足首の「首」がつく部分を冷やさない
- オーガニックの布ナプキンを使う など
夏場でも、スーパーやショッピングモール内はクーラーが効いていて肌寒いので、薄手の羽織ものやストールを常備するのも良いですね。
まとめ
いかがでしたか?これらのことを常日頃意識するだけで、随分と子どもの免疫力は高まります。これは、私の子どもたちによって実証されていますから、自信があります!実践してみて損はないです。
人の腸内環境は幼児期に決定します。しかし、その細菌たちを生かすも殺すも自分次第。腸内環境を良くする生活で、自分を外敵から守ってくれる免疫細胞を最大限に活用しましょう!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。